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PENTAX ESPIO80

携帯性:★★★
操作性:★★★
機能性:★★★★
描写力:★★★
快適度:★★
 1995年4月に僕が初めて買ったコンパクトカメラ。35〜80mmのズームを搭載し、当時のズームコンパクト機としては最薄ボディの携帯性の良さと、バルブシャッターまで備えた多機能に惹かれて購入。しかし、他にもコンパクトカメラを購入した現在ではほとんど使うことはなくなってしまった。

携帯性:★★★ − ズームコンパクトとしては薄型のフラットボディ

 買うときには「毎日持ち歩きたい」と思っていたので、携帯性は重要なポイントでした。フルフラットなボディはシャツのポケットに入れるのにも適していて、とても良いです。現在でもズームレンズ内蔵のコンパクトカメラとしては充分小型の部類に入ります。

 付属のソフトケースにはベルト通しが付いているので、ズボンのベルトにつけてよく持ち出していました。このケースにも、きちんとリモコン収納ポケットがあるのも考えられています。

 圧倒的なコンパクトさではないものの、必要充分な携帯性を持っています。

操作性:★★★ − 一般的なボタン操作だがボタンは押しやすい

 モード設定に使うボタンは本体上面、液晶パネル下の3つですが、赤目防止、リモコン/セルフタイマーの設定ボタンが独立しているので、通常の撮影モード設定に使うボタンは1つだけです。このボタンを押すことで、オート → 日中シンクロ(強制発光) → 低速シャッター(発光禁止) → 低速シンクロ → バルブ(発光禁止) → バルブシンクロ → オート、と順に撮影モードを設定します。ストロボモードが独立していないので紛らわしいですが、慣れればひとつのボタンで順送りで全ての設定が出来るので使い勝手は悪くありません。ボタンも奥に引っ込んだものではなく、充分な大きさで押しやすいものです。

 ズーム操作を行うレバーはシャッターボタンの後、本体右背面にあり、シャッターボタンから手を離すことなく右手親指で簡単に操作でき、こちらの操作性も良好です。

機能性:★★★★ − バルブシャッターまである多機能ぶり

 カメラを欲しいと思ったときに「星も撮りたい」という気持ちもあったので、バルブ(シャッターを開いたままにする機能)があることがこのカメラを選ぶ決め手のひとつでした。実際に使うと、リモコンのボタンを押し続けてシャッターを開いておかねばならず使い勝手は良くなかったですが、それでも当時は百武彗星などの撮影も行ったものです。

 もちろん夜景モード(低速シャッター/低速シンクロ)も完備。特に低速シンクロモードはイルミネーションをバックにした記念撮影に威力を発揮します。多彩な撮影モードで記念撮影には好適です。これだけの機能があると一般の人では使いきれないほどで、露出補正以外はフル機能を備えており、これ1台で様々なシチュエーションに対応できるでしょう。

描写力:★★★ − 安定した写りだったが少々古びてきたか

 ややシャープさに欠ける印象はあるものの、普通に写ります。ピントや露出の大ハズレが少ないので、安定した使いやすさがあります。周辺光量は落ちますが、コンパクトカメラとしては普通でしょう。露出は若干明るめの印象はありますが、ポジフィルムでも安定して使えます。ストロボの調光性能も近接撮影でも問題ありません。ズーム全域で50cmまで寄ることができるので、80mm側にズームすればまずまずの撮影倍率が得られます。

 パッシブ式のAFで、ガラス越しでもピント合わせができるのが特徴の一つとなっており、遠景撮影モードは用意されていません。しかし、遠景ではシャープさがなく風景には向かないように感じます。3メートル程までの距離での記念写真が、やはり向いているようです。

 ただ、購入当初に比べると写りに不満を感じることが多くなってきたのは、そろそろカメラがヘタって来たのかもしれません。そんなわけで最近は出番も激減。98年のポジなどはなかなか良い写りなのですが。

快適度:★★ − 動作音が大きく、自動パワーオフがスナップには不適

 ズーム動作、シャッター音、巻き上げ音など、全体の動作音が大きいのが気になります。ズームの動作も遅く、随所に古さが覗きます。ファインダーの視度補正機構は便利ですが、時間の経過とともにファインダーへの埃の侵入が非常に多くなり、特に逆光時にはかなりファインダーが見づらくなってしまったのも辛い点です。

 また3分間無操作が続くと自動的に電源が切れ、60分以内ならば再度電源ONにすることで電源OFF直前の設定状態に復帰するという電池消耗を防ぐ設計がなされているのですが、復帰のためには電源ボタンを押さねばならず、常にシャッターチャンスに備えるスナップ撮影には致命的に使いづらいです。せめてシャッターボタンで復帰してくれれば使いやすかったのですが。こんな所も記念撮影向きの設計を感じます。

主な仕様

発売
1994年10月 希望小売価格43,000円
レンズ
35〜80mm/F4.1〜8.7 6群7枚
シャッター
2秒〜1/400秒・バルブ(1/2秒〜5分)
合焦方式
パッシブ式5点マルチAF 0.5m〜∞
露出制御
マルチ測光によるプログラムAE 連動範囲:EV3.5〜17.5
ストロボ
内蔵固定式 低輝度時自動発光。強制発光、発光停止、赤目軽減、バルブシンクロ可能
外観
124×63×33.5mm/210g(電池別)
その他
視度調節機能、リモコン付き。
ペンタックスのサイトからは取扱説明書のダウンロードも可能。
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