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Konica BiG mini F

携帯性:★★★
操作性:★★★
機能性:★★★★
描写力:★★★★
快適度:★★★★★
 2000年8月、限定モデル(黒)を新品で購入。OLYMPUS μIIとどちらにするか悩んだ末、μIIを買いに出かけた東京でファインダーの見やすさから逆転購入。安定したピント、まるでこちらの意図を汲んだような露出で大のお気に入りに。素直なレスポンスは癖がなく使いやすい。レンズもシャープで逆光に強く、発色も鮮やか。しかし、いつからかピントの挙動に不審な点が。

 2005年9月、通常モデル(白)をリサイクルショップで購入。白黒揃っちゃった(笑)。

携帯性:★★★ − フルフラットボディも沈胴レンズに難?

 電源OFF時にはレンズがボディに収納される沈胴式で、ボディ本体も直線的、スクウェアな形状のため携帯しやすいです。比較的軽量なので、ストラップを首から下げたり、シャツの胸ポケットに入れるのにも適しています。極端な小型ボディではありませんが、このくらいの大きさの方がホールディングの安定性を考えるとカメラとしては妥当です。

 ただし、電源ON時には沈胴レンズがボディから1cmほど突き出した状態になり、レンズ鏡胴への負荷が心配になります。僕の個体の場合、しばらく使い込んだ後に電源OFFでも鏡胴が完全にボディに収納されない現象が生じ、それ以降ピントを大外しすることが出て来ました。最短撮影距離を割り込むほどにレンズが駆動され迫り出す現象です。負荷がかかることで鏡胴部分の精度に問題が出るのかもしれません。問題に再現性がないのがつらいところですが、レンズ駆動量が明らかに大きくなるので撮影時に問題の発生を認識でき、怪しい時はもう1コマ撮影することで失敗を回避しています。修理、点検に出したほうがいいかな。

操作性:★★★ − 小さく奥まったボタンは押しづらいが実用上は問題なし

 撮影モード(ストロボモード)設定、日付設定、巻き戻しの操作ボタンが全てボディ背面(裏蓋)に配置されています。誤操作を防ぐためか、ボタンに突起はなくボディ面とフラットな形状で、なおかつボタンのサイズも小さめで爪を立てないと押しづらいのは難点です。これらをボディ上面に配置すれば、もっと操作性が向上したのではないかと思われます。

 とはいえ、明るいレンズの搭載と素直な反応のおかげで、むやみやたらとストロボを炊きたがることもないので、特別な意図を持たない限りは撮影モードはオートのままで問題ありません。つまり撮影せずにカメラを触っていると操作性は良くないように感じるものの、実際の撮影時にモード設定ボタンを操作する必要は少なく、あまり不便を感じることはありません。

 ボタンの押しづらさについては慣れれば問題なくなると思います。垂直に押し込むよりも、爪を立てて少し斜めに押し込むのがコツではないかと思っています。

機能性:★★★★ − 撮影者の意図を反映させやすい通好みの機能設定

 撮影機能に関わるボタンは2つ。1つは遠景モードとセルフタイマーを設定するボタン。もう1つがストロボ/露出モードの設定です。後者で設定できるモードは、オート(ストロボ自動発光) → 赤目軽減モード(ストロボ自動発光) → 強制発光 → 発光禁止 → +1.5露出補正(発光禁止) → -1.5露出補正(発光禁止) → オート、と循環します。

 いわゆる夜景モードは用意されていませんが、ストロボ発光禁止モードで最長4秒までのシャッターに対応しており、問題なく撮影できます。また、強制発光モードが日中シンクロとスローシンクロ撮影を兼ねており(つまり背景露出を生かして主要被写体にストロボを当てるモードと言える)、夜間の記念撮影も問題ありません。

 逆光時には自動的なストロボ発光や露出補正は行わないようなので、撮影者が自ら日中シンクロか+1.5露出補正にモードを設定する必要があるようです。また、プラス側だけでなく-1.5露出補正も用意されているのは珍しく、暗い仕上がりが欲しい場合や黒バックでの撮影だけでなく、シャッタースピードを稼いで手ブレを防ぐために利用するという裏技的な使い方も可能です。

 ただしこれらのモードの使いこなしにはある程度カメラ・写真の知識を要するので、必ずしも初心者向きのカメラとは言えないかもしれませんが、撮影者が自らの意図を反映させやすく、通好みのカメラと言えます。

描写力:★★★★ − 鮮やかな発色とシャープな描写

 購入直後にポジフィルム(スライドフィルム)を入れて撮影したところ、ややアンダー目の仕上がりながら鮮やかな発色には感心しました。この露出傾向も通好みと言えそうです。過剰な補正もなく、非常に傾向のつかみやすい素直な中央重点測光です。またカラーだけでなく、モノクロフィルムを使ってもコントラストの強い印象的な絵が得られ、モノクロフィルムでの撮影もオススメです。

 前述のように僕の個体はピントに問題が出ることがありますが、問題が出る以前は実に安定して高い描写の絵が得られていました。僕の個体も購入後しばらくはまったく問題はなかったので、通常はしっかりした写りが期待できます。普及機としては最高レベルの写りが得られます。

 逆光にも比較的強く、ゴーストやフレアは出にくい印象です。ただし、逆光時の自動露出補正がされないので露出アンダーには気を付けた方がよいでしょう。

快適度:★★★★★ − 素直なレスポンスでストレスなく撮影可能

 とにかく気持ちよく写真の撮れるカメラです。まずファインダーが明るく倍率も高くて見やすいので、撮ろうという意欲が出てきます。OLYUMPUS μIIを買いに出かけたのに予定を変えてビッグミニを買ったのは、このファインダーの見え具合の差による所が大きいです。ブライトフレーム式のファインダーのため、撮影範囲外もファインダー内で見ることができるので、スナップ撮影に向いています。

 その他気に入っているところは、オートパワーオフがないことです。スナップ撮影では常にカメラの電源を入れたままにしておくので、これは重要です。またこれに付随して、レンズバリアではなく保護フィルタ(スカイライトフィルタ)を採用している点も個人的には評価しています。レンズバリアがないことで、汚れや触ってしまう等のレンズの保護を気にする人も多いですが、レンズバリアの効果は収納時に限られるので気にする必要はないと考えています。収納時のレンズ保護が気になるのであれば、ケースを使えば済むことです。実際の使用時には否応なしにレンズは剥き出しになるわけで、むしろ保護フィルタの方が気兼ねなく使え、汚れても拭きやすいので勝手は良いです。

 動作音は決して小さいとはいえませんが、シャッターを押したあとのレスポンスも非常に良好で、フィルムの巻き上げも早く、リズム良く撮影することができます。全体を通してクセもなく、非常に素直なレスポンスなのでストレスを感じることなく気持ちよく使えるカメラです。

主な仕様

発売
1998年5月 希望小売価格39,000円
レンズ
35mm/F2.8 3群4枚 スカイライトフィルター内蔵
シャッター
1/450〜4秒
合焦方式
赤外線ノンスキャンアクティブ式AF 0.35m〜∞、遠景モード
露出制御
中央重点測光によるプログラムAE 連動範囲:1〜17EV 露出補正±1.5
ストロボ
内蔵固定式 低輝度時自動発光
強制発光、発光停止、赤目軽減モード
外観
115×63×34.5mm/180g(電池別)
その他
限定ブラックモデル(滑革ケース、滑革リストストラップ付属)
通常モデルは1997年9月発売(希望小売価格35,000円)
コニカミノルタのサイトからは取扱説明書のダウンロードも可能。
レビュー
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