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MINOLTA Capios 25

携帯性:★★★
操作性:★★★
機能性:★★★
描写力:★★★
快適度:★★★★
 2003年10月、リサイクルショップにて購入。掲示板でコンパクトカメラ購入の相談を受けて、自分でもまともなズームコンパクトが欲しくなったところで、これまで持っていなかった28mmズーム機である本機を発見して、うっかり購入。本機もまたOLYMPUS μZOOM同様、PENTAX ESPIO 80購入時に候補として迷ったカメラの1つ。

携帯性:★★★ − ずんぐりしたボディだがズーム機としてはまあまあ

 マンボウのような、とも評された独特のずんぐりとしたボディですが、ズームレンズ搭載機としてはまず並みの大きさと言えます。同様なズーム機のオリンパス μズームと比較すると、数字的には同等の大きさのはずですが、数字以上にコンパクトに感じるのは、実はデザインがよいのかもしれません。のっぺりしたデザインですが、逆に角が立った部分や余計な突起がないので、収納性も良好です。大きさの割には携帯性は良い方だと思います。

操作性:★★★ − 大きな液晶画面で分かりやすいボタン操作

 電源はゴムの押しボタン式。あまり好きな方式ではありませんが、本機の場合は割と押しやすいので及第点です。

 ズーム操作は右手親指部のズームレバーで行います。中央がくぼんだ円弧状のシーソーレバーを左右に押すのですが、ボタンが小さく、また位置もやや下すぎて、やや操作しづらいです。上手く指が乗らないと操作しづらいシーソーレバーよりは、ESPIO 80のように、左右にレバーを回すタイプの方が操作しやすいように思います。

 各種の機能設定はボディ上面の大きな横長の液晶と、その下のボタンで行います。これは、液晶表示と操作すべきボタンとが対になって視認できるため、ボタン式のカメラとしては非常に操作性は良好です。

機能性:★★★ − 連写など特徴的な機能もあるが、通常はオートのみで充分

 機能設定に関するボタンは3つ。ストロボモード、セルフタイマー、撮影モードの各設定ボタンです。

 ストロボモードは、自動発光→赤目低減自動発光→強制発光→発光禁止→自動発光、とボタンを押すことによって循環します。発光禁止を呼び出すのにボタンを3回押さなければいけないのはちょっと面倒ですが、持っている機能と操作性としては普通です。

 セルフタイマーボタンでは、セルフタイマー、連写モード、リモコンモードが選択可能です。セルフタイマーとリモコンは一緒にして、どちらでも利用できるようにしても実用上は支障もないし、機能的にもすっきりしたように思います。秒1.2コマの連写が特徴と言えば特徴ですが、この程度の連写速度では実用的とは言い難いです。それにしても、なんで連写モードがセルフタイマーのメニューの中に入ってるのかが謎です。ミノルタ自身が、あまり使われないことを想定していたように思われてしまいます。

 撮影モードは、オート→マクロ(クローズアップ)モード→夜景ポートレートモード→遠景モード、と循環します。マクロモードでは、通常50cmの最短撮影距離が、望遠70mm側限定で40cmまで接近してクローズアップ撮影ができるようになります。ただしこのモードでは、撮影範囲が40cm〜1mに限定されます。70mmレンズで40cmというとかなりの倍率でクローズアップが可能ですが、コンパクトカメラのファインダーでは視差が大きく正確なフレーミングという点では不安が大きいです。しかし、高い撮影倍率を実現している点は評価してもよいと思います。通常モードでのズーム全域で最短撮影距離50cmというのも及第点。なお、後継機のCapios75では、全域40cmまでの近接撮影が可能になっています。

 夜景ポートレートモードは、説明書がないので詳細はよく分かりませんが、どうやらスローシンクロモードのようです。ストロボモードの中に入っているのが一般的だと思いますが、記念写真向けに分かりやすく撮影モードを独立させたのでしょう。

 遠景モードはその名のとおり、ピントを無限遠に固定して、ストロボも発光停止にするものです。

 以上のように、いくつか特徴的な機能があるとはいえ、通常あまり使うものではないので、基本的にはオートのままで済ませるカメラです。

描写力:★★★ − ズームコンパクトカメラとしては標準的

 4群4枚構成というシンプルなレンズ構成のため、シャープで抜けが良いとの評判も聞きますが、カラーネガフィルム1本をテスト撮影したところでは、それほどの良さは感じませんでした。ズームレンズ搭載のコンパクトカメラとしてはごく標準的な写りで、特筆すべきことはないように感じます。これは別に描写が悪いというのではなく、特別良いところはないが普通に写るということです。誤解なきよう。他のズームコンパクトとの比較でいうと、μZOOMには及ばない印象です。

 また歪曲が大きめという評価もあるようで、こちらは多少そのような感はあります。ただ、広角28mmのワイド感の演出にもなるので、上手く使えば気にならないでしょう。

 周辺光量落ちはあります。極端なものではなく、この程度の落ち込み具合であればむしろ好ましいものとして捉えることができます。

 ストロボの調光バランスは、なかなか良いようです。日中シンクロでも、背景露出とのバランスは上手く取れています。極端に背景露出が落ち込んで不自然な写りになることはなさそうです。

 レンズの発色は、比較的色のりは良い方ですが、基本的にはナチュラルでフィルムの持ち味がそのまま出るように感じます。これはなかなか好感が持てます。

 逆光に対しては、ズームコンパクトとしては仕方のないところですが、あまり強くはありません。太陽を直接画面に入れることは避けたほうが良いでしょう。

快適度:★★★★ − 使いやすいズームレンジとホールディング感の良いボディがいい

 電源を入れると、まずストロボがポップアップするのと同時にレンズバリアが開き、続いてレンズが迫り出すという、撮影準備まで2段階の動作があります。こう書くと動作が鈍そうに思えますが、それぞれの動作が非常にキビキビとして素早く、電源投入から撮影準備が整うまでの時間は短いです。この電源投入時の動作、若干音は大き目ですが、動きが速く、見ていて面白いです。

 この動作をそのまま引き継いで、ズームの動作もまずまずの速度です。しかし、やはり音は大きめなのが難点でしょうか。ただし、音が高いのが動作にスピード感を出しているので、一概に悪いとは言い切れないかもしれません。

 一方、シャッター音や巻き上げ音は、まずまず抑えられています。このくらいの音であれば、通常の利用ではあまり音は気にならないと思います。

 ずんぐりとしたデザインのボディはホールディング性も良好です。シャッターボタンのフィーリングは安っぽいですが、実用上は及第点でしょう。

 難点はファインダーです。見口が2ミリほど奥まったところにあるためか、非常にケラレやすく、眼鏡使用者にとっては上手く覗くのが難しいファインダーです。傷を防ぐためかもしれませんが、もう少し大きく、ボディ面ピッタリにファインダー窓を作って欲しかったです。

 もう一つ難点を挙げると、オートパワーオフまでの時間が短いこと。説明書がないので正確なところが分かりませんが、3分ほど無操作だと自動的に電源がオフになってしまいます。いくら電源投入後の撮影準備が整うまでの時間が短いとはいえ、これは少々不便です。せっかくの28mmレンズも、スナップには生かしづらいです。ズームコンパクトカメラではレンズ鏡胴の破損を防ぐためか、どのカメラでもこのようなオートパワーオフ機構が採用されていますが、レンズをワイド端に引き戻すだけにとどめてもらえるともう少し使い勝手が上がるように感じます。

 総合的には、デザインも良く操作性も良好で、(ズームコンパクトとしては)比較的明るめの実用的なレンジのズームレンズの搭載で、とてもバランスの良いカメラです。

主な仕様

発売
1995年3月 希望小売価格45,000円
レンズ
28mm/F3.5〜70mm/F8.4 4群4枚
シャッター
2秒〜1/500(28mm時)、8秒〜1/350(70mm時)
合焦方式
3点マルチビーム赤外線アクティブオートフォーカス 0.5m〜∞
マクロモード時は0.4m〜1m、遠景モード
露出制御
プログラムAE 連動範囲:28mm時/EV2.6〜17 70mm時/EV3.1〜17
ストロボ
内蔵リトラクタブル式 低輝度時自動発光、赤目軽減発光、強制発光、発光禁止
外観
121×66.5×44mm/245g(電池別)
その他
赤外線式リモコン付属、1.2コマ/秒の連写可能、パノラマ途中切り替え可能
レビュー
「シャープに感じられる」ツボを突いた良い写り(biglobe.ne.jp)
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