OLYMPUS μZOOM PANORAMA
携帯性:★★
操作性:★★★
機能性:★★★
描写力:★★★★
快適度:★★★★
2002年7月に、ストロボ不良のジャンク品を購入。コンデンサの不良か、ストロボのレディランプが点滅したままになるが、その他の動作に不具合はなく、スナップではストロボ不要のためストロボOFFで実用機として利用中。古いが金属製のフィルムガイドレールや静かな動作音など、作りのよさは特筆モノ。実は初めてのカメラ購入の時にPENTAX ESPIO 80と迷って落選したカメラだった。
携帯性:★★ − やや大柄で胸ポケットには少々つらい
発売当時はズームレンズを搭載したコンパクトカメラとしては小型でしたが、現在となってはスペックの割には大柄で、ネックストラップで首から下げたりシャツの胸ポケットに入れるには大きく重く感じます。ボディの厚みがかなりあるのが最大の問題です。現在では同じμシリーズでより望遠側の焦点距離を伸ばした機種が、より小型・軽量のボディで登場しているのも見劣りを感じてしまいます。操作性:★★★ − ボタンの操作はまずまずだが、細かい所に気になる点も
モード設定ボタンは小さいながらもボディ上面に突起状に設置されているため押しやすいです。これならば手袋をしても操作可能で評価できます。スポットモードの設定にボタン2つの同時押しが必要なのはμII同様で、これは少々勝手が悪いですが、ボタンが押しやすく指一本で設定できるのでμIIよりはずっと使いやすいです。本体の大きさに余裕があることの利点でしょう。ズームレバーはボディ上面、シャッターボタンの右側に設置され、シャッターボタンから人差し指をずらして操作するようになっていますが、個人的にはシャッターボタンからは指を離さず親指でズームできた方が使いやすいです。
レンズバリアがスライドスイッチを兼ねる構造は分かりやすいですが、僕のホールディングのクセで左手でボディを上下から挟んで右手でスライドさせる時に、ポップアップストロボ部分を左手親指で押さえてしまい、電源投入直後にいきなりスタンバイモードに入ってしまうしまうのが困りものです。この点だけは未だに慣れません。ストロボはポップアップ式より内蔵固定式の方が邪魔にならないので好きです。
機能性:★★★ − ごく普通の機能をごく普通に
動作設定は本体上面の2つのボタンで行います。セルフタイマー/リモコンボタンとストロボモードの2つのボタンで、これら2つの同時押しでスポットモードに設定するのは前述の通りです。ストロボモードは、オート → 赤目軽減(AUTO-S) → 発光停止(OFF) → 強制発光(日中シンクロ、FILL-IN) → 夜景 → オート、と循環します。発売当時はまだ絵文字が普及していなかったのか、夜景以外はAUTO-SやFILL-INなど、分かりづらい文字で表記されています。しかし機能的にはこれで充分です。しかし僕の個体はストロボ不良のジャンク品で、ストロボ発光が必要な時はシャッターが切れなくなってしまうので電源投入とともに必ずストロボOFFに設定するのがお作法です。そうでないと使えない。
また、μII同様のスポットモードはカメラ任せの部分を減らし、撮影者が判断する割合を増やすことになるので、カメラの扱いに慣れた人は常に設定するのが良いでしょう。
先にポップアップストロボを押さえるとスタンバイになる点は電源投入時の不便はありますが、一定時間が経過した時だけでなく任意にスタンバイに入る機能として使うこともできます。なお電源復帰はズームレバーの操作によって行います。
描写力:★★★★ − 安定してよく写る
特筆することもないのですが、ピント、露出ともに安定して普通によく写ってくれます。考えてみれば、コンパクトカメラではこれが一番大切なことかもしれませんね。改めて見ていると、解像度もなかなか良いようです。ズームレンズ搭載のコンパクトカメラとしては、かなり優秀だと思います。ワイド側の開放F値は4.5ともう少し明るいと嬉しいのですが、テレ側70mmでの落ち込みがF6.9とこのクラスのズームコンパクトとしてはかなり明るく頑張ってくれています。これくらいだとISO100のフィルムでも望遠側が実用になりそうです。見落としがちですが、意外と評価できる点です。
快適度:★★★★ − ポップアップストロボは邪魔だが使えば分かる作りの良さ
ファインダーは見づらいです。μIIよりも大柄なボディにも関わらず、倍率が低く暗いのは考え物です。設計の古さゆえでしょうか。しかしファインダーの見え具合が撮影意欲を左右する面もあるので、カメラにとっては大事な点です。また、ポップアップストロボは不意に触れてスタンバイに入ってしまうこともあり、邪魔に感じます。内蔵固定にした方が駆動部分も減って設計的にも楽だったのでは、と思ってしまいます。これがストロボ不良の原因かもしれないわけですし。
しかし、これらの不満をよそに使ってみると非常に作りの良いカメラであることが分かります。まず驚いたのは、裏蓋を開けるとフィルムのガイドレールが金属製であること。現在では一眼レフでもコスト削減のためプラスチック化が進んでいる部分で、現在のコンパクトカメラで金属製ガイドレールは非常に稀なことで、この点からもしっかりコストを掛けて作られたことが伺えます。
それは動作音からも伺えることで、特にシャッターを切った際の音の静かさは素晴らしく、メカニカルな動作フィーリングも質の高さを感じさせます。レンズのズーム音も同様によく抑えられています。フィルムの巻き上げ音はそれなりの音がしますが、これは仕方のないことでしょう。全体を通して、非常に質の高い動作感で使って満足できるカメラです。
また、レンズ鏡胴に35、50、70と焦点距離の目安が表記されており、特に50ミリ好きの僕としては、およその位置ではあっても50ミリを任意に選んで使うことができるのは非常にありがたいです。
以上のように、携帯性はやや劣り、特別な機能はないものの非常に使い勝手の良いカメラです。
主な仕様
- 発売
- 1993年7月 希望小売価格48,000円
- レンズ
- 35〜70mm/F4.5〜F6.9 5群6枚
- シャッター
- 4秒〜1/500
- 合焦方式
- 3点測距アクティブ方式マルチAF 0.6m〜∞、スポットAF切り替え可能
- 露出制御
- 2分割測光/スポット測光切り替えのプログラムAE 連動範囲:2.3〜17.2EV
- ストロボ
- ポップアップ式 低輝度時自動発光
強制発光、発光停止、赤目軽減モード - 外観
- 124×64.5×46mm/225g(電池別)
- その他
- リモコン付き、JIS保護等級4の生活防水
- レビュー
- スタイリッシュな高機能標準ズーム機(est.hi-ho.ne.jp)
優れたデザインで多機能・高耐久性(camera-photo.hp.infoseek.co.jp)