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OLYMPUS μII Limited

携帯性:★★★★★
操作性:★★★
機能性:★★★
描写力:★★★★
快適度:★★★★
 2000年8月、本機をやめてKonica BiG mini Fを購入したわずか1週間後に、セール品を見つけて無節操にも購入。直後のポジ撮影でオーバー目の露出を初期不良としてメーカー調整に出し、現在は若干アンダー目の露出で安定。生活防水と極小サイズで一時は常用カメラとして大活躍。

携帯性:★★★★★ − 圧倒的なコンパクトさで常時携帯したくなる

 とにかく他のコンパクトカメラと比べても二回りは小さい圧倒的な極小サイズは、シャツの胸ポケットに入れてもまったく邪魔にならず、常時携帯するのに最適です。二つ折りの携帯電話より一回り大きい程度、と言ってもいいでしょう。スライド式のレンズバリアのため若干厚みはありますが、逆にこれが超小型ボディながらホールディング性の向上につながっています。

 唯一難点を挙げるとすれば、リモコンとケースが付属していながら、そのリモコンを収納するスペースがケースにないことでしょうか。ストラップに取り付けられるようになってはいますが、これでは邪魔なので僕の場合はまったくリモコンは使っていません。と言っても、レンズバリア式のためケースは使わずボディのみで持ち出しているので、実際にはリモコン収納が可能であっても使わないでしょうね。

操作性:★★★ − 押しづらいボタンと隠し機能的操作は不便

 モード設定ボタンは明らかに爪を立てて押すことを前提に作られているようで、ボディ背面にやや奥まった形で細長いボタンが配置されています。指の腹で押すことはほぼ不可能です。また、μシリーズ独特のスポットモード(フォーカスと露出を中央一点に限定して合わせるモード。カメラに慣れていればより確実な撮影が可能)を設定するためには、この押しづらいボタンを2つ同時に押さなければならないという、いわば隠し機能的な操作は少々不便です。僕の場合手間を省くため、外出時の電源投入直後にスポットモードとストロボ発光停止モードを設定して、以後そのまま電源を切らないというスタイルを採っています。

 レンズバリアがスライド式電源スイッチを兼ねているのは明瞭で使いやすいです。生活防水のため若干動作が固いですが、使用中に誤って動かして電源をOFFにしてしまうことを防いでもいるのでこの位でちょうど良いと思われます。使い込むとスライドスイッチが緩むこともあるようですが、僕の個体では問題ありません。

機能性:★★★ − 絞られた機能で迷う点はないが少々おせっかい焼き

 設定ボタンはストロボ(撮影)モードボタンと、セルフタイマー/リモコンボタンの2つ。撮影モードは、オート → 赤目軽減発光 → 発光停止 → 強制発光 → 夜景 → 赤目軽減夜景 → オート、の順に循環します。オート時には低輝度時(暗い時)、逆光時、蛍光灯下(色かぶりを防ぐため)で自動的に発光し、写真に詳しくない一般向けに失敗を防ぐ機能として評価することもできますが、慣れた人間にとっては少々おせっかいな機能でもあります。せっかくの大口径レンズであるにも関わらず(そして色かぶりとは無縁のモノクロフィルムでも)頻繁にストロボを焚きたがる傾向があるので僕は常に発光停止で使っています。

 前述のスポットモードに設定することで、マルチフォーカスでピントがどこに合うか分からない問題を回避して、確実に中央一点でのピント合わせができるのですが、このモードにするためにストロボモードボタンとセルフ/リモコンボタンの2つを同時に押さねばならず、これははっきり言って使いづらいです。初心者が誤って設定することを防止しているのでしょうか。しかし通好みともいえる単焦点機ですから、過度に初心者向けの配慮をする必要もなかったのではないかと思います。

描写力:★★★★ − スッキリ描写で空の青さが印象的だが逆光に弱点

 マルチフォーカスでピントが抜けてピンぼけを起こすとよく言われますが、常時スポットモードで利用する僕の場合はピントの問題はほとんどありません。ピンぼけ云々を言う前に、使いこなしに工夫をすれば解決するものですから、文句をいうのは筋違いでしょう。

 写りは癖もなくスッキリとしたナチュラルな印象です。その中で特徴を挙げるとすれば、空が青く写るような気がします。PLフィルターを使った空やツァイスブルーとは違って、ヌケの良い気持ちのいい青空になる感じです。

 問題を挙げるとすれば、逆光に弱いことでしょうか。太陽光線がレンズに入った場合、太陽が画面外であっても、太陽光線が筋状に白く写り込んでしまうことが多いのが残念です。フレアやゴーストであれば作画に利用することもできますが、白い光線引きではそのコマは没にするしかありません。ファインダーでは確認できないので、逆光での撮影には気を使います。それ以外には特に破綻もなく、いい写りをしてくれます。

快適度:★★★★ − 動作のもたつきはあるが便利な生活防水とコンパクトさで帳消し

 これは個人的なことかもしれませんが、μシリーズはファインダーが見づらいです。カメラを構えたつもりでファインダーが見えないことがしばしばあり、咄嗟のシャッターチャンスを逃すことがあります。覗く角度が悪いと上手く見えないのかもしれません。

 また、フィルムを入れず空シャッターを切っているだけでは気づかないのですが、フィルムを入れて撮影すると途端に巻き上げの遅さが気になります。シャッターを切ってから一呼吸置いて巻き上げ動作に移りのが、慣れないとシャッターのタイミングがつかめずに、手ブレを起こしてしまうように錯覚します。慣れで解決することですが、始めは戸惑います。

 フィルムの巻き戻しも非常に遅いので、36枚撮りフィルムは使わない方が良いでしょう。ストレスの元になります。24枚撮りフィルムでは26コマ撮影できますが、36枚撮りフィルムでは本体の小型化でフィルム巻き上げスペースに制限があるため必ず36コマ目を撮影すると巻き戻す仕様になっているので、余分に撮れるオトク感もありません。

 このようにフィルム駆動の動作のもたつきはありますが、いつでも持ち出せる超小型ボディと、雨天時でも気にせずに使える生活防水仕様で帳消しになるほどの魅力があります。特に生活防水はあまり取り上げられることがないのですが、一眼レフでは困難な雨天時の傘をさしながらの片手撮影が気楽にできるので、撮り直しのできない旅行時には重宝します。僕の旅行時には必ず持っていくカメラです。岐阜、韓国、福岡、鎌倉など、いつもこのカメラと一緒でした。

 先にフィルム駆動で動作のもたつきを指摘しましたが、逆にストロボのチャージが早いことは特筆できます。室内での撮影でチャージに待たされることもなく、快適に撮影することができます。これも取り上げられることが少ないですが、大いに評価できる点です。

主な仕様

発売
1998年4月 希望小売価格38,000円
レンズ
35mm/F2.8 4群4枚 非球面レンズ使用
シャッター
1/1000〜4秒
合焦方式
3点測距アクティブ方式マルチAF 0.35m〜∞、スポットAF切り替え可能
露出制御
2分割測光/スポット測光切り替えのプログラムAE 連動範囲:1〜17EV
ストロボ
内蔵固定式 低輝度時・逆光時・人工照明時自動発光
強制発光、発光停止、赤目軽減モード
外観
108×59×37mm/140g(電池別)
その他
リモコン付き、JIS保護等級4の生活防水
限定5,000台のブラックメタリックモデル(本革ケース、本革ストラップ付属)
通常モデルは1997年3月発売(希望小売価格36,000円)
オリンパスのサイトの情報−μIIμII Limited
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