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OLYMPUS μ

携帯性:★★★★
操作性:★★★
機能性:★★★
描写力:★★★★
快適度:★★★★
 2004年6月、リサイクルショップで1,050円で購入。この時期、あまり使いもしないくせに相次いでカメラを買っていたのでかなり悩んだが、結局はまた買ってしまった。しかし、仕上がりを見ると素晴らしい写りで、悩んでも買って甲斐があった。

携帯性:★★★★ − 2代目に比べれば大きいが、十二分に小型で携帯性は高い

 極小サイズのμIIと比べてしまえば大きいですが、ビッグミニと比べても遜色ない大きさは、充分に高い携帯性を持っています。μシリーズの中ではボディ形状がフラットな方で、μIIよりも厚みはないくらいです。この厚みでスライドシャッター式のシェルでレンズが保護されていると気軽に持ち出しやすく、携帯性は非常にいいカメラです。

操作性:★★★ − 機能は少なくシンプルな操作

 ズームもなく、スポットモードもないため、普段の操作としてはシャッターを押すくらいです。小型なボディとしてはかなり大きな銀色のシャッターボタンは押しやすく、高級感もあってなかなか良いです。スライドシャッターによる電源のオン/オフも分かりやすいです。

 ストロボモードの変更は標準的な、ボディ上面の押しボタンによる切り替え式。小さいボタンですが、突起状に出ているので押しやすい方です。絵文字による表示ではないので、やや分かりづらいかもしれません。この種のボタンを裏蓋に配置したカメラよりも、ボディ上面に配置したカメラのほうが操作しやすいことが多いように感じます。

 セルフタイマーが専用モードではなく、ボディ上面のセルフタイマーボタンを押しながら同時にシャッターボタンを押すというのは、やや古いインターフェイスかもしれません。最近のカメラでは、セルフタイマーボタンを押してセルフタイマーモードにして、そこでシャッターボタンを単独で押すというのが主流です。

 多機能を詰め込んだカメラではないので、全体の操作性はシンプルなものですが、やや古めのインターフェイスといったところでしょうか。

機能性:★★★ − スローシャッターがないが、スナップには充分

 後にμシリーズの売りとなるスポットモードも、この初代μにはまだ搭載されておらず、目立った機能はストロボモードの変更だけです。そのストロボモードも前述のボタンによる切り替えで、AUTO(自動発光)→AUTO-S(赤目低減発光)→OFF(発光停止)→FILL-IN(強制発光)、と4つのモードがあるだけです。英語の文字表記は分かりづらく不親切ですが、絵文字の普及前のカメラなので仕方のないところでしょう。

 また、最長シャッタースピードが1/15秒と短いので、夜景撮影は事実上不可能です。ただ、手持ちのスナップカメラとしては、思いがけずスローシャッターとなって手ぶれを起こすよりも、露出不足を覚悟で1/15秒のシャッターを切る方が勝手が良い場合もあり、個人的にはこれはこれで良いと思っています。

 ひとつ特徴的だったのは、弱った電池で新しくフィルムを装てんした時に、電池消耗の警告音が鳴ったことです。ただし音は小さめで、はじめは「どこかで電子音が聞こえるけど何だろう?」と思って警告音だと気づきませんでした。でも、ユニークな機能は良いと思います。

描写力:★★★★ − ヌケが良くシャープな描写

 リサイクルショップのジャンク箱から買ったものなので期待していなかったのですが、同時プリントの仕上がりを見ると、実に良く写っていてちょっと驚きました。これは良く写るカメラです。ひょっとすると後継のμIIよりも写りがいいかもしれません。

 目立った周辺減光はありませんし、ピントもシャープに良く写ります。色乗りもかなり良く、特に緑色が「これってアグファのフィルムだっけ?」(実際にはコニカCenturia Super200)と思うほどの発色だったのはプリントのせいかな?

 このカメラに限らず、3台(他にμIIμZOOM)持っているμシリーズはどれも良く写るカメラです。

快適度:★★★★ − 不思議と良く見えるファインダー

 このカメラを使って最初に感じたのは、ファインダーが良く見える、ということでした。μIIμZOOMではファインダーが見づらいと書きましたが、それとは違います。見やすさではなく、実際にクッキリ・ハッキリと良く見えるのです。もしかすると、普通のカメラよりもマイナス(近視)側に視度が寄ってるのかな、という感じです。また、ファインダーの見やすさについても、μIIμZOOMよりも見やすく、これだけでもかなり快適に撮影できます。

 弱点は、全体的に動作が遅めなことでしょうか。シャッターを切ってからのレンズの駆動量も大きめで、ややタイムラグは感じます。フィルムの巻き上げ、レンズ駆動〜シャッター動作からの一連の流れからは一呼吸置くのでやや遅く感じます。さらに、フィルムの巻き戻しはかなり遅いです。このあたりはμIIとも似通っています。ただし、電源オン/オフ時の動作はキビキビして気持ちがいいです。

 また、個人的にはμIIよりもスッキリした優れたデザインだと思います。

主な仕様

発売
1991年3月 希望小売価格37,000円
レンズ
35mm/F3.5 3群3枚
シャッター
1/500〜1/15秒
合焦方式
赤外線アクティブAF 0.35m〜∞、ステップ数100
露出制御
SPD素子によるプログラムAE 連動範囲EV7.5(F3.5、1/15)〜17(F16、1/500)
ストロボ
内蔵固定式 低輝度時・逆光時自動発光 強制発光、発光停止、赤目軽減機能付き、連動範囲:0.35m〜3.5m
外観
117×63×37mm/170g(電池別)
その他
パノラマ途中切り替え機能のついた「μパノラマ」は1992年7月発売、希望小売価格37,000円。
レビュー
オリンパスμパノラマの実力に驚愕!!(円谷円の縁だよ縁)
カメラデザインの一つの頂点(小さいカメラが好き)
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