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KONICA C35 flash matic

携帯性:★★★
操作性:★★★★
機能性:★★★★
描写力:★★★★
快適度:★★★★★
 2003年5月、リサイクルショップで発見し、露出計が動いているのでOKと判断して購入。ただし、モルトはベタベタ、数箇所のアタリがあり、さらにバルブシャッターが切れない不具合もあった。しかし通常の撮影には支障はなく、心地よい重さのコンパクトなボディとマニュアル操作が、まさに写真を撮っていることを実感できて大のお気に入り。2004年9月には2台目を購入した。

携帯性:★★★ − 何とかシャツの胸ポケットにも入る

 レンズ部の出っ張りのためどうしてもボディの厚みがあり、現代のコンパクトカメラと比べて大柄に見えてしまいますが、その厚みを除けば非常にコンパクトにできています。特に横幅はオリンパスhttp://snapshots.s55.xrea.com/camera/μII.html">μII]に迫ろうかというほど切り詰められており、最近のカメラと比べてもむしろ横幅は小さいほどで、見た目にも非常にコンパクトに感じます。その一方で、金属製ボディには機械の中身がしっかり詰まった重量感があり、手にとったときには見た目のコンパクトさからするとずっしりとした印象もあります。しかし、ボディ全体の体積の小ささも手伝って、何とかシャツの胸ポケットに入れることも可能で、携帯性は決して悪いわけではありません。むしろ、手巻きのレンジファインダー式カメラがこの小ささであることを考えれば、充分すぎる携帯性ともいえます。

操作性:★★★★ − 二重像も見やすく各部の操作感もスムーズ

 非常にシンプルなカメラなので、通常の操作はフィルムの巻き上げとピント合わせ、そしてシャッターレリーズだけです。フィルムの巻き上げ感は決して上等なものではありませんが、ジリジリした音と感触によってバネと歯車が動いているというメカニカルなフィーリングが伝わってきて、個人的には好きな操作感です。

 ピント合わせは指掛かりのついたフォーカスリングを回転させ、ファインダー中央の二重像を合致させる、一般的な距離計連動式です。ファインダーはやや暗く青っぽい色づきもありますが、中央の黄色い二重像も見やすく、ピント合わせはしやすいです。なお購入時には二重像が横ズレして距離計が狂っていましたが、裏蓋を開けてガイドレール上、ファインダーの下部にあるマイナスネジを外した中にある隠しネジを回転させることで横方向のズレは調整可能です。

 シャッターのレリーズ感は、C35EF同様に頼りないものですが、ショックや音は小さいので許せる範囲です。

機能性:★★★★ − 構図とシャッターチャンスに集中できるEE露出

 ピントはマニュアル、露出はオート、というのが個人的にはスナップには使いやすいと思っています。ピントも目測主体で使っていると、一瞬のシャッターチャンスにも対応しやすいです。また、必要な時には距離計を使ったフォーカシングができるのも良い点です。

 露出は絞りとシャッター速度が自動的に設定されるプログラム露出ですが、ファインダー内の指針によっておよその絞りとシャッター速度が確認できるのもありがたいです。明るい条件で露出値を確認して、充分絞り込まれる条件であることが分かっていれば、目測・パンフォーカスで軽快に撮影できます。

描写力:★★★★ − 周辺の画質に多少の難もヘキサノンらしい繊細な描写

 同じヘキサノン38mm/F2.8のレンズを搭載したC35EF]と比べると、シャープネス、解像度ともいまひとつパッとしない写りのような気がします。画面周辺部、特に左下の描写がかなり流れて崩れているのが気になります。また、晴天で絞り込まれているはずの条件でも深度が浅い感じです。ただしこれらはC35 flash maticというカメラの問題ではなく、この個体固有の問題の可能性が高いです。

 その他、カメラのコンパクトな形状の影響なのか、手ブレしやすい印象です。

2004年1月19日 追記

 前述のように、全体的なシャープネスの不足が感じられていたため、フィルム圧板のテンション不足を疑って、圧板チューン(www.amays.com)を施したところ、全体的にシャープネスが向上してシャキッとした描写になったように感じられます。被写界深度が深くなった印象です。画面左下の描写の流れはありますが、C35EF同様のシャープで繊細ヘキサノンらしい描写になりました。う〜む、さすがヘキサノン。やっぱイイですわあ。

 というわけで、星一個追加です。

快適度:★★★★★ − これぞ写真機。常に触っていたくなる

 若干の不具合もなくはないカメラですが、メカニカルな操作感がカメラらしさを感じさせて、使うのが非常に楽しいカメラです。いかにもカメラらしいクラシカルな外観、小さなボディの凝縮感、その中に搭載されたレンジファインダーなど、カメラを操作し写真を撮っていることを実感でき、非常に快適です。

主な仕様

発売
1971年8月 希望小売価格24,700円
レンズ
HEXANON 38mm/F2.8 3群4枚
シャッター
B、1/30〜1/650(X=1/25)
合焦方式
一眼二重像合致式連動距離計 1m〜∞
露出制御
プログラムAE 連動範囲:8〜17EV(ISO100)
ストロボ
フラッシュマチック制御による外付けストロボ利用可能
外観
112×70×52mm/360g(電池別)
その他
電源は1.3V H-C型水銀電池1個利用(1.5V LR44アルカリ電池で代用可能)
コニカミノルタのサイトからは[取扱説明書のダウンロードhttp://ca.konicaminolta.jp/support/manual/ls/other-ls.html]も可能。
リンク
コニカC35大解剖(映像工房琴似組)が分解・構造について詳しい(リンク切れ)。
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