Konica BiG mini
携帯性:★★★★
操作性:★★★
機能性:★★★
描写力:★★★
快適度:★★★
2004年6月、リサイクルショップにて525円で購入。最も懸念された裏蓋のフレキシブル基盤が切れてない!ということで購入。電池を入れてみると挙動がおかしかったが、裏蓋のデート用電池の問題と分かって解決。
携帯性:★★★★ − 電源オフ時のフラットボディで携帯性は良好
BiG mini FやBiG mini BM-201と同等のサイズは既にこの初代ビッグミニから実現されています。電源オフでレンズがボディに収納されるフラットボディでポケットなどへの収納もしやすく、携帯性に優れたカメラです。もっと小さいカメラもありますが、ホールディングバランスを考えるとこれくらいでちょうど良いです。操作性:★★★ − 電子コンパクトカメラ共通のボタン操作
電子化されたAFコンパクトカメラの例に漏れず、このカメラも80年代のカメラながら、すべての操作は液晶とボタン操作で行います。ボディ上面、シャッターボタンの手前に小さな電源ボタンとクローズアップ切り替えボタン。ボディ背面裏蓋部分に液晶表示とモード切替ボタン、日付設定用の小さなボタンが3つ配置されています。後継機のBiG mini BM-201]やBiG mini F]と比べるとボタンが小さく、やや押しづらいです。特に電源ボタンが小さいのですが、これはこれでシャッターと間違って押す心配がなくていいような気もします。その他のボタンは、日付設定は一度設定すればそのままですし、クローズアップも多用するものでもなく、モード切替も撮影モードが少ないため切り替える頻度は高くはないでしょうから、ボタンの小ささの割には普段の操作で困るような場面はほとんどないでしょう。
唯一困るとすればフィルムの途中巻戻しで、専用のボタンが設けられていません。裏蓋のモードボタンのストロボモードの切り替えでボタンを2回押してOFFになったら、次の3回目はボタンを押しっぱなしにするとパトローネ&巻き戻しマークが点滅するので、 そのままモードボタンを押しながらシャッターを押す。という複雑な作法が必要です。普通はフィルムの途中巻戻しはしないからこれでいいのですが、途中巻戻しって変な時に必要になるので、これじゃやり方を忘れて困っちゃうんですよね。
機能性:★★★ − とぼしい機能は工夫で補え
後に多機能化がすすむ電子コンパクトカメラですが、80年代のこのカメラの機能はごく限られています。クローズアップモードは、通常60cmの最短撮影距離を35cm〜60cmの範囲で撮影を可能にするものですが、現代では切り替えなしにクローズアップできるのが普通なので、特別な機能とは言い難いです。
ボディ背面のモード切替ボタンでおこなうのも、ストロボモードの切り替えとセルフタイマーモードの設定だけという潔さです。後のビッグミニシリーズではセルフタイマーボタンが独立し、モードボタンの中に露出補正がありますが、この初代ビッグミニでは露出補正はありません。個人的にはコンパクトカメラで露出補正はほとんど使わないので、不便はありません。
ストロボモードボタンでは、オート(低輝度時自動発光)→オン(強制発光)→オフ(発光停止)→セルフタイマー(低輝度時自動スローシンクロ)の4モードを循環して切り替えます。ストロボオン(強制発光)で、日中シンクロとスローシンクロを兼ねるビッグミニの合理的な設計はこの初代から変わりません。逆光時の自動発光がなく、利用者がストロボ発光をさせなければいけないのも変わらず、この点は利用者に知識が必要とされるところです。しかし、少ない機能の中で知識を使って工夫して撮影することで充分な結果を得られるわけで、シンプルで合理的に機能がまとめ上げられていると言うこともできるでしょう。
描写力:★★★ − いつもながらコニカは素晴らしい!が・・・
オートフォーカスのステップ数がわずかに23。うち11ステップがクローズアップ用なので、通常撮影ではわずかに12ステップという、数百ステップを数える現代のAFコンパクトカメラとは比較にならない少なさから、撮影前は描写に不安を持っていたのですが、仕上がりはさすがコニカ!そんな不安を見事に吹き飛ばす写りです。色乗りも良くシャープ感もあり、同時プリントを見たときの印象は非常に良好です。
周辺光量は落ち気味で、特に低光量下で目立ちやすいようです。気になる場合は利用を晴天時に限定したり、高感度フィルムを使うなどの対応をすればよいでしょう。
それ以上に気になるのがストロボ調光で、日中シンクロ時の背景露出が明らかにアンダーになります。見るからに不自然な仕上がりになってしまうので、あまり使わない方が良さそうです。逆光時でも、シンクロしたカットとしないカット、両方を抑えておく方が確実でしょう。
快適度:★★★ − いいカメラだが古さが目立つ
さすがに古いカメラだけに、各種の動作が遅く、動作音も大きめです。フィルム巻上げのモーターなど、カメラを持つ手に振動が伝わってくるほどです。ブライトフレーム式のファインダーの見え具合そのものは良い方ですが、暗いとフレームが見えず、明るいとファインダー内の合焦ランプが見づらくなったり、逆光でもファインダーが見づらかったりと、いま一歩といった感もあります。
フジのトラベルミニシリーズ同様に、主電源用電池とは別に日付設定用の電池が必要となり、それが裏蓋内側にあるのも古さを感じます。この日付用電池が切れるとカメラの挙動がおかしくなって、知識のない利用者では故障と勘違いを起こしやすいです。また、撮影途中でフィルムが入った状態では日付用電池を交換できないのも不便です。後に電源が1つに統一されていくのも当然の流れといえます。
このように、とても実用的なカメラではあるものの、全体に設計の古さが目立つカメラでもあるので、21世紀の現在においては趣味のカメラということになるでしょう。
主な仕様
- 発売
- 1989年2月 希望小売価格35,000円
- レンズ
- 35mm/F3.5 4群4枚
- シャッター
- 1/3秒〜1/500秒、セルフタイマー内蔵
- 合焦方式
- 赤外線ノンスキャンアクティブAF、最短撮影距離0.6m〜∞、クローズアップボタンで0.35〜0.6m
ステップ数23(0.35m〜0.6mで11ステップ、0.6m〜∞で12ステップ) - 露出制御
- CdS使用プログラムAE、連動範囲EV5〜17(ISO100)、露出補正なし
フィルム感度使用域:ISO50〜3200 - ストロボ
- 内蔵固定式、フラッシュマチック方式(連動範囲は0.35〜5m、ISO100)
オート時EV9以下で自動発光、発光停止及び強制発光可能、発光間隔約3秒 - 外観
- 117×63×36mm、195g(電池除く)
- その他
- 本体用電池CR123A1本の他に、デート及び液晶表示用にCR2025が必要。
コニカミノルタのサイトからは取扱説明書のダウンロードも可能。 - レビュー
- 良くできたカメラ(penguin-19's Compact Camera) - フィルムの途中巻き戻し方法やデート用電池情報など貴重な情報も
簡易マニュアル(penguin-19's Compact Camera) - ウェブで見られる簡易マニュアル。詳細はコニカミノルタからダウンロードしましょう
35mmフィルムを使用したミニカメラで十分な写りを約束してくれるカメラ(Canon Aシリーズに萌え萌え)
BigMiniの光洩れ(sanda.gr.jp) - 鏡胴部から光漏れすることがあるようです